仕事を効率化する一環としてチャットツールを導入する企業が増えてきています。
株式会社サイバーソリューションズが行なった「メールとビジネスチャットツールの利用実態調査」によると調査対象となった企業の約33%でチャットツールが導入されています。
まだまだメールや電話でのビジネスコミュニケーションが主流ではありますが、チャットがビジネスコミュニケーションとして認められつつありますね。
これから伸び代があるチャットツールですが、実際に導入した時にチャット上でどのようにコミュニケーションをとっていいのか分からない方が多いのではと感じています。
私はこれまで経理コンサルタントとして社内外の方とチャットツールでコミュニケーションを取ってきました。
多い時には10社ほどの企業様とチャット上でやりとりすることもあり、チャットでのコミュニケーションを鍛えてきた実績があります。

クライアント・社外とのコミュニケーション6つのポイント
チャットで社外の方とコミュニケーションを取るときに気をつけるべきことは、メールのようにしないことです。
メールでは定型の挨拶から打ち始めますが、チャットでそれをしてしまうと違和感があります。
LINEのようにテンポよくコミュニケーションを取ってみましょう。
堅苦しいコミュニケーションをやめる
会社名・肩書き・名前から始まり、「お世話になっております…お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。」で終わるメールのような挨拶はチャットでは必要ありません。
チャットの良い点は気軽さとテンポの良さにあります。
なれなれしさとは違いますが、こちらが少しだけフランクに接すると自然に相手も合わせてくれるものです。
堅苦しいコミュニケーションのままだとチャットのよさが発揮できません。

結論から書く
チャットでは結論→根拠の順で書きましょう。
日本人のコミュニケーションのクセで根拠→結論の順で話す人がとても多いです。
ですが根拠→結論で文章を書いてしまうと、効率よくコミュニケーションが取れるというチャットのよさが半減してしまいます。
最悪、結論を読み飛ばされてしまう恐れも。
チャットはよくも悪くもテンポよく流れていくツールです。
チャットという手軽なコミュニケーションツールの特性を活かして、大事なことははじめに書くように心がけてみてくださいね。
何に対する返信か明確にする
グループチャットで活発に議論が行われている場合、誰のどの発言に対して返信をしているのか分からなくなることがあります。
そうならないためにも、誰のどの発言に対する返信かきちんと分かるようにしましょう。
チャットワークなら「返信」や「引用」機能を使えば、この問題をクリアすることができますよ。
時には絵文字や顔文字を使う
文字だけでやりとりするとどうしても無機質なコミュニケーションになりがちです。
発言の内容によっては怒っていると誤解されたり、変に気を遣わせてしまうことも。
こういったコミュニケーションのストレスを減らすためにも、可能であれば絵文字や顔文字を使ってみてください。
たとえば「急ぎで資料をいただきたいです。」と「急ぎで資料をいただきたいです^ ^ 」では印象が全く違いますよね。
チャットでしかやりとりをしない場合は、にこやかな文章を送ることを意識してみてください。
やるべきことはタスク化する
グループチャットが活発に動いていると、タスクが発生してもどんどんと会話が進みいつの間にかタスクが流れてしまっていることもあります。
それではせっかく活発にチャットが動いているのにもったいないですよね。
タスクが発生した場合は下記の2つの方法でタスクが流れることを防ぎましょう。
- タスクを作成して相手を設定してあげる
自分が相手にタスクを依頼するパターンです。この場合はタスクを作成して、チャット上に送りましょう。
タスクを勝手に作成してしまうとモヤっととする方もいるので、タスク化する前に「依頼事項をタスク化させていただきます」などチャット上でひと声かけてから送るようにすると、コミュニケーション上のトラブルになりづらいでしょう。
- タスクが発生した時点で会話の途中でも自分でタスク化しておく
自分に対してタスクが発生した場合は、内容を読んだ時点でタスク化してしまいましょう。
あとで、覚えているからいいや、はNG。チャットが流れて忘れてしまいます。
タスク化する作業は10秒もあれば終わるため、うっかり忘れてしまわないためにも必ずタスクはタスク化は必須です。
息抜きで雑談もふってみる
仕事上のやりとりだけでは息が詰まってしまうことも。
ちょっとした雑談で、さらにビジネスのコミュニケーションが取りやすくなることもあります。
ビジネスでチャットツールを使っているからといって、仕事の話だけをしなければいけないなんてことはありません。
絶対ではありませんが、ときどき息抜きで雑談を送るとコミュニケーションの潤滑油になりますよ。
社内でのコミュニケーション4つのポイント
社内のコミュニケーションのコツは明るく反応すること。
無機質だったり反応がなければ、誰も発言しないチャットになってしまいます。
ここからは社内でのコミュニケーションのコツを具体的に解説します。
依頼事項はチャットでする
隣の席の人に仕事を依頼する場合でもチャットで依頼をしましょう。
正直、口頭で依頼した方が早く済みます。
ですがチャットツールにタスクが集約されている状態に価値があります。
ある依頼は口頭で、ある依頼はチャットで、ある依頼はメールで、とツールが分散してしまうと必ず仕事の漏れが発生します。
そうならないために、チャットを使うと決めたのであればどんなに近くに依頼したい人がいてもチャットを通して仕事の依頼をしましょう。
感情が伝わりやすいように工夫する
無機質な文字ばかりのコミュニケーションでは相手がどんな気分で働いているのかが分からず仕事がしにくいものです。
このような悩みを解決してくれるのが絵文字や顔文字、「!」などです。
「!」は多用しすぎるとうっとおしがられることがありますが、あいさつの後などにつけると元気が伝わり感じよくチャットをスタートすることができますよ。
他の人の発言にはなるべく反応する
自分が発言して、誰からも反応がなかったら少し寂しいですよね。
反応がないと誰もチャットを使わなくなり、せっかくチャットツールを導入したのに結局社員はコミュニケーションにメールや電話、社員同士の場合はLINEを使っているなんてことが起こりやすくなります。
誰かが発言したら誰かが反応してあげるような空気作りが大切。

雑談チャットグループを作る
社内全体のチャットに雑談を送るのは気がひけるものです。
息抜きのための雑談チャットグループが一つあると、仕事以外のことで聞きたいことがある場合に活用されるでしょう。
たとえば忘年会の日程のアンケート、休日レジャーのお誘い、などの発言をする場所として雑談グループを作ってみてくださいね。
チャットは少しだけフランクを意識するとうまくいく
チャットが企業に浸透してきたとはいえ、まだまだメールや電話に比べると少ないのが実情。
ですがこれから働き方改革が進むにつれ、リモートワークが当たり前になってくるとチャットツールがさらに浸透することが明白です。
チャットにはチャットのコミュニケーションのコツがあるため、今までとは少しコミュニケーションの勝手が違います。
しかしポイントさえ掴んでしまえば本当に効率よくコミュニケーションが取れるツールです。
これまでメールで堅めのコミュニケーションを取っていた方がチャットでいきなりフランクになることはむずかしいかもしれませんが、その山を乗り越えると効率のいい働き方につながります。
相手によってどうしても堅めのコミュニケーションが必要なことがありますが、ぜひ自分からチャットグループの空気感を発言しやすいものにしてみてくださいね。