経理の必須スキルといっても過言ではないエクセルのスキル。
手書きと比べればエクセルを使うことで業務の効率化が進みます。
最近では便利なITツールもたくさんあり脱エクセルが唱えられていることも多くなってきましたが、実際にはまだまだエクセルを使っている会社が圧倒的に多い状態です。
「エクセルを使う効率化は個人レベルの小さな改善なので効果の範囲は限定的なのでは?」と思われるかもしれません。
でも個人レベルの小さな改善やスピードアップが、ちりも積もればかなりの時間短縮につながるはず。
基本をおろそかにせず小さな効率化ができているか、今一度チェックしてみましょう。
経理がエクセルを使うシーン
経理の仕事はデータを扱うことが多いため、必然的にエクセルをよく使います。
システムAからデータをエクスポートして、システムBへインポートするためにエクセルでデータを加工したり、経費精算時に使用したり、資料を作成したりする場合に使用することが多いのではないでしょうか。
ここからは具体的にどのようにエクセルを使用することが多いのかご紹介します。
システム間のデータ移行のための加工
販売管理ソフトのデータを会計ソフトに移行するために、データを加工する必要がある場合があります。
この場合エクセル上で作業してデータを加工することが多いのではないでしょうか。
経費精算などのフォーマット作成
社員の経費申請フォーマットの作成もエクセルで作成していることが多いですね。
経理は社員が効率よく経費精算の入力ができるようにあらかじめ関数を入力しておき、フォーマットを配布します。
マクロが使いこなせる経理社員がいる場合、経費精算で入力した数値が社内ルール違反になっている場合はエラーが出るようにするなど、複雑な数式が組み込まれていることも。
経営資料の作成
毎月の経営資料もエクセルで作成していることが多い資料のひとつです。
数字を集計してグラフで見せたりする場合にもエクセルを使っておくと便利です。
経営情報の分析
どの商品が売上の何%を占めているかを分析したり、予算の実績の管理などにもエクセルが使用れています。
予算に対して実績が未達の場合はセルが赤くなるなど、一目で達成状況が分かるように数式を組み込んでおくと便利です。
経理が覚えておくと便利なエクセル関数
ここからは経理が覚えておくと便利な基本のエクセル関数でをご紹介します。
足したり、平均を求めたり、データを抽出したり、消費税の小数点以下の数字をまるめたり、順位をつける場合に便利な関数です。
具体的に各関数を使うと何ができるのかを解説します。
SUM
指定したセルの中の数字を合計してくれる関数です。
SUM(A1:A8)はA1〜A8の数字を合計すると言う意味です。
SUM(100,200,300)のように計算したい数字を直接打ち込んで合計を表示させることもできます。
売上集計などに欠かせないエクセル関数です。
AVERAGE
数字の平均値を求めることができるのがAVERAGEです。
たとえば営業担当別の売上平均値を求めたり、客単価の平均値を調べるときに活用できます。
VLOOKUP
たとえば商品コードを入力すると、その隣に商品名と価格を自動で表示させることができるのがVLOOKUP関数です。
VLOOKUPを使えば手入力の手間を大幅に削減することができます。
ROUND
消費税を計算するとき、小数点以下が発生することがあります。
その小数点以下をまるめるときに使う関数がROUNDです。
消費税以下の数字は四捨五入、切り上げ、切り捨て、どれにするかは事業者が決めることができます。
四捨五入する場合はROUND,切り上げる場合はROUNDUP,切り捨てる場合はROUNDDOWN関数を使いましょう。
COUNT
数字が入力されているセルの個数を数えるときに使います。目視で数えるよりも早く正確です。
COUNTIF
指定した条件の情報が入ったセルを数えることができます。たとえば商品Aの販売個数を調べたいときなどにCOUNTIF関数を使用します。
RANK
入力されたセルの数字を選択すると、ランキング順位が分かる関数です。
商品の売れ行きの順位や、営業成績の順位などを分析するときに便利です。
TODAY
その日の日付を表示するエクセルです。
単純な関数ですが、経理ではとても重宝します。
経理で使う書類はほとんどの場合、作成した日付を入れて印刷します。
この関数を使うことで、前回作成した時の日付のまま印刷してしまうといったミスを防ぐことができます。
エクセルショートカットを覚えるとさらにスピードアップ
エクセルのショートカットは経理であれば必ず習得しておきたいスキルです。
正直ショートカットキーで短縮できる時間はわずかですが、ちりも積もれば仕事の効率化に効いてきます。
マウスで順番に選択して操作するより、キーボード上で処理できる方が便利です。
下記に基本のエクセルショートカットキーをまとめました。
Ctrl+S | 作成したデータを上書き保存します |
Ctrl+A | データを全選択します |
Ctrl+C | 選択したデータをコピーします |
Ctrl+V | 選択したデータを貼り付けます |
Ctrl+X | 選択したデータを切り取ります |
Ctrl+Z | ひとつ前の作業に戻ります。間違えて操作した場合に重宝します。 |
Ctrl+P | データを印刷します |
デュアルモニターを取り入れるとさらにスピードアップ
デュアルモニターとは複数のモニターのこと。
パソコンを2台以上使ってひとつのモニターではPDFのデータを確認しながら、もうひとつのモニターでエクセルを開きデータを入力していくときなどに便利です。
ひとつのモニターで作業する場合はタブを切り替えながら仕事をするため、作業がすすめにくくストレスがかかります。
デュアルディスプレイならデータをみながら作業ができるため快適で、ミスも起こりにくくなるでしょう。
まとめ
エクセルは一般的なソフトなので、使ったことがないという人はほとんどいないかと思います。
ですが今回ご紹介した関数やショートカットキーを全て使いこなせている方は少ないのではないでしょうか。
ちょっとしたことでも関数やショートカットキーを活用すれば仕事の効率化につなげることができます。
便利なITツールもたくさんありますが、自社で導入するにはまだ時間がかかりそうな場合はエクセルを活用して業務の効率化を目指すといいですよ。