法人カードを社員に配れば、個別の経費精算がなくなるため営業や経理業務が圧倒的に効率化されます。
法人カードをくれたら経費精算が楽なんだけどな…
— なんかの博士 (@nannosono) 2017年12月13日
また、法人カードをクラウド会計ソフトに連携すれば明細が自動的に取り込まれるため、経理社員がわざわざ会計ソフトに入力しなくてもよくなるんです。

なぜなら法人カードは社内・社外でトラブルの元になりやすいからです。
万が一不正などがあった場合、取引先に伝われば信用問題につながったり、社員の式が下がるなど業務に支障が出てしまいます。
一方でルールを厳しくしすぎると法人カードを利用する社員が出てこず、効率化が進まない・・・なんてことも起こり得ます。そうならないためにも、厳しくしすぎず不正が起こりにくい雰囲気作りがとても大切。
扱いがとてもデリケートな法人カードですが、うまく運用できれば会社全体の業務の効率化がグッと進みます。
また、一説では疑うコストよりも信用するコストの方がはるかに安いとのこと。

法人カードを社員に持たせることで起こる
5つ
法人カードの不正・横領は業務上横領罪にあたることがほとんどです。
社員に横領したいと思わせる出来心を芽生えさせないためにも、まずはどんな手口があるのか知っておくことが大切。
ここからはよくある不正の手口を具体的に解説します。
自家用車に法人カードで給油・自宅用の灯油も一緒に給油する
うっかり自家用車に給油する際に法人カードを利用してしまったり、故意に法人カードで給油する不正があります。
また、営業車に給油する際に自宅で使う灯油を一緒に上乗せして会計するパターンも。
ポイントやマイルなどの無断利用
社員に法人カードを持たせるメリットの一つとしてポイントやマイルが貯まることがあげられます。
ですが社員の中には法人カードで貯まったポイントやマイルを私用で使ってしまうなんてことも。

と思われるかもしれませんが、横領罪の中にはポイント・マイルの不正使用については言及されていません。
なので100%法で裁けるとは言い切れないのです。
これを防ぐためには会社のルールとしてポイントやマイルは私用で使わないことを明記しておく必要があります。
法律では裁けなくても会社のルールで決まっていれば、何らかの罰則を与えることが可能。

友人との飲み会代を接待交際費として申請した
社員とその友人とで居酒屋へ行き、法人カードを使って決済するパターンです。
この場合は領収書に一緒に行った人を書いてもらって、領収書を提出してもらいましょう。
この方法でも嘘を書かれてしまえば100%不正利用を防ぐことはできませんが「見られている」という抑止力につながります。
もしくは上司に事前に法人カード利用を事前申告させることで防げる確率は上がります。
新幹線のチケットを購入しチケットショップで現金化
出張の多い社員の場合、法人カードで新幹線のチケットを購入します。
その後チケットショップにチケットを売ることで現金化するという手口があります。
これは法人カードの不正の手口としてはよくある手法です。
盗難・紛失
これは社員に限ったことではありませんが、たくさんの社員に法人カードを持たせると一定の割合で盗難・紛失が起こる可能性があります。
法人カード使用のルールアイディア2つ
法人カードの不正利用を防ぐためのルールはいくつかあります。
- 法人カードをもつ人を役員・経理だけに限定する
- 法人カードを持ち出せる時間を限定する
- カードを使う場合は事前に上司に申告させる
- 領収書を必ずもらって上司・経理に提出させる
この4つの方法も法人カードの不正利用を防ぐルールとしてとても有効です。
ですが経費精算をシンプルにし、営業と経理の仕事を効率化させるという点から考えると法人カードを社員に持たせる意味がなくなってしまいます。
性悪説で考えるとどうしても手間のかかるルールを作りチェックせざるを得ません。
それでは手間とコストがかかるばかり。
性善説で考え、最低限のルールで運用すれば手間もコストも削減でき、かつ不正が起こりにくい組織運営が期待できます。

法人カードの不正利用が発覚した時には厳しいペナルティがあることを周知する
経費精算を効率化させるために法人カードを社員に持たせるはずが、不正利用を防ぐために「領収書を必ず提出する」などのルールを設けてしまうと法人カードを持たせるメリットが半減してしまいます。
しかし自由に使ってもよしとしてしまうと、不正利用が起こるかもしれません。
そこで有効な対策が、法人カードを不正利用した場合には
- 減給
- 降格
- 刑事告訴
などの厳しい対応をすると明確に社内ルールで決めておくことです。
悪く言えば脅しのような方法ですが、ペナルティをしっかりと伝えておくことで「つい出来心で」を防ぐ一定の効果が期待できます。
また、会社としては取引先からの信用問題もあり、刑事告訴などは起こしにくいもの。
取引先から「刑事告訴を起こされる社員がいる会社ってどんな管理をしているの?」と思われかねませんよね。
真面目に仕事をしている社員の士気も下がる可能性も。

法人カードの利用金額を毎月社員が全員見えるようにする
経理部で会計入力後、法人カードの個人別使用金額を集計しましょう。
クラウド会計ソフトならタグ付けができ、一目で経費の使用割合がグラフで分かるものもありますね。
集計した経費を社内全体もしくは法人カードを使っている人全員に共有します。
そうすることで同じ職種で同じように動いている社員同士は、特別な事情がない限り経費の額にそんなに差はないはずです。
にも関わらず

なんてことが一目で分かれば目立ちますよね。
経費を見える化することのメリットは
- まわりの目があることで法人カードの不正利用の抑止力になること
- 不審な動きの経費があればその社員だけ要注意でマークできること

まとめ
法人カードを社員に持たせると不正・横領のリスクがありますが、経費精算まわりの作業効率は格段に上がります。
こちらのツイートによると、経費精算に使う1人当たりの時間は66分/月。
人件費にすると年間約2兆円とのこと。
リモートワーカーを活用した経費精算システム
#ivs2019 pic.twitter.com/TMnjt6LM4N
— 木暮康雄@ウリドキ社長 (@kogurey95) 2019年7月12日
このことからも分かるように、経費精算に使っている時間は会社に何の利益ももたらしません。
法人カードを持たせることで経費精算の時間を減らし、商談を1回多く行ったり企画を考える方がずっと有意義です。
